IT業務効率化

【ペーパーレスコラム】第2回
真のペーパーレス実現に必要なこととは?

根来

根来 航己

第1回で解説したように、ワークフローシステムを導入していながらも、契約書などへの捺印のためだけに出社するといった非効率な作業が減らないのは「法定保存文書」の電子化がカギになることをお話ししました。
今回は、主に社外向け文書が多い「法定保存文書」電子化に必要となる関連法律へ準拠するソリューションとメリット、さらに進んだ活用方法を解説していきます。
便利なワークフローシステムを完全に活用し、多様な働き方への対応や、無駄を削減することで一層の効率化を実現するための一助になれば幸いです。


  1. 電子契約サービスのメリットとは?
  2. システム導入がゴールではない、真のペーパーレスを実現
  3. まとめ

1.電子契約サービスのメリットとは?

既存のワークフローシステムが得意な領域としては、主に社内向け文書の電子化ですが、契約書などの法定保存文書については電子契約サービスを導入することで電子化が可能です。

電子契約サービスとは、インターネット等を利用して相手先とやり取りを行い、パソコン上で文書の合意(承認)、合意成立の証明を行うサービスです。今回は、法律に精通する弁護士ドットコム社提供の電子契約サービス「クラウドサイン」の主な特長とメリットをご紹介します。




①電子署名機能で法的な証拠力を保持

捺印された書類(契約)の有効性を担保するためには、クラウドサインを運営する弁護士ドットコム社名義の電子署名を付すことで、法的な証拠力を保持することができます。合意時にPDF形式の文書へクラウドサインのみが発行可能な電子署名が行われることで、いつ誰が合意したのか記録が残り、合意後の文書変更、改ざんが行われていないことを担保する仕組みです。



クラウドサイン改ざん防止の仕組み

(図1)改ざん防止の仕組み

引用元:クラウドサインとは https://www.cloudsign.jp/about/(最終アクセス日:2022年10月7日)




②契約書の一元管理で業務の透明性が向上

契約書などの送付文書をクラウドサイン上で一元管理を行うため、文書検索の手間や保管スペース確保の課題が解決できるとともに、契約にかかわる業務がクラウドサイン上で完結するため、業務のスピードアップと効率化へとつながります。さらに、クラウドサインで締結された契約書は、バックアップデータも原本となりますので原本保全の確実性が高まります。




③利用しやすさとセキュリティ対策を両立するアカウント・権限カスタマイズ機能

一般的に、社外ユーザーへの文書回付や内容についての合意をいただくためには、社外ユーザーにもアカウント作成・管理を行う必要があります。クラウドサインでは、「アカウントなしで合意ができる仕組み」があり、相手先企業はアカウント登録を行うことなく利用規約に同意いただいたうえで書類の確認・同意締結が可能です。ただし、2要素認証などの高度な認証リクエストを利用する場合には、登録が必要です。

面倒なVPN接続やセキュアブラウザを利用する必要もなく、インターネットへの接続環境さえあればウェブブラウザ上で簡単に操作が行えます。もちろんウェブブラウザとクラウドサイン間でやり取りする情報は暗号化されているため、安心して利用することができます。

権限カスタマイズ機能

相手先でのアカウント登録が不要なため相手先の負担を増やすことなく導入可能で、強固なセキュリティ対策と適法性、証拠力、税務対応などあらゆる観点でリスクがないかを弁護士による法律監修の元で運営しているサービスです。


2. システム導入がゴールではない、真のペーパーレスを実現

このように「クラウドサイン」などの電子契約サービスを利用し、社外とのやり取りも電子化することでペーパーレスが実現可能と解説してきました。そのため、これからシステム導入を検討する場合に、文書量が多いものからペーパーレス化できる電子契約サービスのみ検討すればよいのではないか?と考えられた方もいらっしゃるのではないかと思います。

外部文書のやり取りという観点で言えばクラウドサインのみで完結可能ですが、ワークフローシステムと連携させることで、社内の稟議承認などの契約プロセスから社外への契約締結まで一連の業務がWebで完結できます。

なぜ連携させることで利便性が高まるのか、他システムと高度な連携が可能なワークフローシステム「AgileWorks」と連携するサービス「ペーパーレスソリューション」を例に、具体的に紹介していきます。

AgileWorks×クラウドサイン


①社内文書も社外文書もワンストップで処理可能

それぞれのシステムが独立している状態でも便利に利用できますが、連携することで社内の承認・決裁プロセスと、社外への締結・データ保存のフローまでワンストップで処理が可能となります。承認前の文書の回覧から、企業により異なる複雑な稟議承認手続きの実施、社外への文書送付までシームレスに処理できるため、決裁手続きの大幅なスピードアップが実現可能です。




②取引情報を一元的に閲覧

クラウドサイン上で取引文書の合意が行われると、合意された契約書が自動的にAgileWorks上の申請情報に承認済み取引文書として反映され、取引情報を一つのシステムでまとめて閲覧することが可能です。手動での情報連携の負担や、文書を探し回る必要がなくなり生産性も向上します。




③誤送信リスクの抑制

AgileWorks側で、所属組織や役職、特定のグループに属するユーザーにのみ閲覧権限を付与するといった柔軟な権限設定が可能です。ユーザーが書類の閲覧権限を持たない部署に異動した場合は、自動的に書類の閲覧権限が解除されるため、重要な合意文書が社内の無関係なユーザーに見られてしまう、不要なデータを社外に誤って送信してしまうことも防げます。


CTCSのペーパーレスソリューション

(図2)CTCS ペーパーレスソリューションの流れ




3. まとめ

このように、テレワークに対応できるだけではなく、セキュリティを担保しながら管理者・ユーザー双方にとってより便利にペーパーレス化を実現できる方法を解説してきました。CTCSではAgileWorksとクラウドサイン連携をした「ペーパーレスソリューション」で、お客様のペーパーレス化をご支援します。

長年のAgileWorks導入や、帳票作成、アドオン開発をはじめ、導入後の管理者トレーニングや運用支援まで、スムーズな導入とお客様が快適に利用頂けるための豊富なご支援メニューが最大の強みです。

これから脱ハンコ・ペーパーレスに向けた取り組みや、すでに導入済みのAgileWorks、クラウドサインのより便利な活用方法をご検討の際は、ぜひ気兼ねなくご相談ください!



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