進化するZabbixとCTCSならではの知見が切り開く
オブザーバビリティ時代の運用チャンス(2/4)

CTCS/Zabbix
(左側)CTCS ソリューション推進第2部 部長代行 髙波、ソリューション推進第2部 部長 宮本、
ソリューション・開発本部 本部長 廣田
(右側)Zabbix LLC CEOアレクセイ・ウラジシェフ(Alexei Vladishev)氏、
Zabbix Japan LLC 代表 寺島広大氏

前回に引き続き、Zabbix Japan代表の寺島広大氏、そしてZabbixの生みの親でありZabbix LLCのCEOであるアレクセイ・ウラジシェフ(Alexei Vladishev)氏との対談をお届けします。
今回は「2. 次期メジャーバージョンの Zabbix 8.0が切り開く新たな領域」と、「3. AIプラットフォームを構成するGPUクラスタ監視の事例」をテーマにお送りします。

2. 次期メジャーバージョン Zabbix 8.0が切り開く新たな領域

Q:Zabbixの次のメジャーバージョンアップである8.0では、どのような改善が予定されていますか?

アレクセイ: 8.0は次期LTS(長期サポート)版であり、我々にとって非常に重要なリリースです。 セキュリティモニタリングに活用できるCEP (Complex Event Processing) (*1)エンジン、APM(*2)機能、そしてOpenTelemetry(*3)のサポートといった大幅な機能強化が図られます。 また、AI関連機能や、MCP Gateway for Zabbixも強化されます。 さらに、8.0と同時にリリースするモバイルアプリにより、通知を受け取った際にスマートフォンからすぐに管理画面にアクセスして状況を把握し、迅速な対応が可能になるでしょう。
廣田: APMやOpenTelemetryといった領域がサポートされることで、より詳細な情報が把握できるようになるため、非常に楽しみにしています。 一方で、運用者に求められる水準は一段と高まるでしょう。これまではアラート発生後に対応を開始する「事後対応型(リアクティブ)」が主流でしたが、OpenTelemetryの活用で「予防的対応(プロアクティブ)」が可能になります。そうなると、これからのシステム運用者にはアプリケーションからインフラまで幅広いスキルアップが求められ、この新機能を使いこなすことが使命になると感じています。

3. AIプラットフォームを構成するGPUクラスタ監視の事例

寺島: 近年のAIブームを受け、GPU(*4)への投資が増え、システム構築・運用されるケースが増えています。Zabbix Conference Japanでは、そうしたGPUクラスタ環境のモニタリングにZabbixを活用いただいたお客様の事例もご紹介いただきました。
髙波: カンファレンスに加え、CTCグループ最大のイベント「CTC DISCOVER 2025」でもZabbixによるGPUクラスタ監視環境の事例を紹介し、多くのお客様から監視に関する質問をいただきました。 この構築に際しては、Zabbix Japanにもご協力いただきました。GPU監視はZabbix 7.2以降で追加された機能ですが、お客様は7.0搭載のZabbixアプライアンスでの導入を希望されていました。相談の結果、テンプレートを改修していただき、無事にGPU監視を導入できました。 さらに、マルチベンダーを取り扱う我々の強みを活かし、ダッシュボードも組み合わせることで、お客様の要望にしっかりとお応えできたケースです。
寺島: 実は、GPUの状態や性能をインフラ監視と統合した形で可視化できるツールは他にあまりありません。これはZabbixのユニークな強みだと考えています。 この事例を発表いただけたことで、CTCグループの皆様やお客様に、「ZabbixはITインフラ監視ツールというイメージがあるが、実はこんなこともできる」と知っていただく良い機会になったと思っています。
髙波: AIプラットフォーム基盤を導入したいというお客様は増加しています。 一般的なITシステムではCPU負荷上昇を障害と判定しますが、GPUの場合は、障害ではない範囲でできるだけリソースを使い切りたいという要望があります。そのため、通常とは異なる監視設計が求められます。こうしたノウハウも含め、ZabbixでGPU監視の要望にお応えしたいと考えています。
アレクセイ: GPU監視の考え方は、Zabbixが古くからサポートしてきたHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)(*5)クラスタの監視と似た部分があると感じています。

次回は「4.AIが解決する運用監視の課題と、AI時代だからこそ求められる運用者の知見」をテーマにお届けします。

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