IT業務効率化
ビジネスの世界では『ワークフロー』という言葉をよく耳にします。しかし、具体的に何を意味しているか、完全に理解していないことが多いのではないでしょうか。
本コラムでは、「ワークフローとは何か?」という基本的な定義から、実際のビジネスシーンでの活用方法、導入のメリットをわかりやすく解説します。
『ワークフロー』は、「業務の流れ」を意味し、「業務における一連の処理や手続きのプロセスのこと」を指しています。
英語では『Workflow』となり、文字通り「仕事の流れ」を意味します。
具体的には、仕事やプロジェクトがどのようなプロセスで進行し、誰がどのように関与するのかを示したものです。
複数人で作業を進める業務やプロジェクトの進行において、
というワークフローを決めることは、業務を進めるうえで欠かせないプロセスです。
また、ワークフローを洗い出し、可視化することで、業務スピードや無駄な工程の改善につなげることが可能になります。
『ワークフローシステム(Workflow System)』は、業務の流れを、「設計・管理・自動化」するためのソフトウェアやツールです。
ワークフローの業務プロセスを、「設計・実行・監視・改善」するための仕組みが導入されており、電子化による入力内容の自動チェックなど、業務の効率化や課題解決を促します。
ワークフローは、業務の流れや手順を構築する基盤です。
例えば、「注文が来たら、誰がいつ、どのように処理するか?」を考えるのが、ワークフローの仕事です。
ワークフローシステムは、そのワークフローを実行するためのツールです。
設計されたワークフローを元に業務を進めると同時に、タスクの進捗を管理することができます。
急速なリモートワークの普及により、導入・定着が進んだワークフローシステムですが、そもそも「ワークフローシステム」とは業務プロセスを自動化し、可視化するための強力なツールです。
ここからは、ワークフローシステム導入における、6つの主要なメリットをご紹介します。
業務プロセスを可視化することにより、業務の全体像や各タスクの状態が見えるようになります。各タスクの進捗状況、担当者の仕事量、承認待ちのステータスなどを一目で確認することができ、問題点の早期発見、それに合わせたスピーディーな対応が可能になります。
電子化することにより、紙代、印刷代、机や保管倉庫への保管費用、書類を発送する郵送費や、手作業での業務を一括して削減することができます。
机や引き出しに書類が埋もれ、いざ提出!となると、「大事な申請書が見つからない…。」なんて事が、紙の書類ベース時代には発生しがちでした。
しかし、ワークフローを電子システム化(ペーパーレス化)する事により、パソコンから申請書や添付文書の確認、検索ができるようになり、書類を紛失するということがなくなり、管理もしやすくなりました。
内部監査や外部監査の際には、対象書類を準備するため多くの時間を費やします。
ワークフローシステムでは「検索機能」で、過去の書類を迅速に呼び出すことができるため、監査対応をスムーズに進める事が可能です。
ワークフローシステムを導入するにあたり、まず、システム化したい申請書の手続きやビジネスの手順、規定自体を明確にしていく作業を行います。その過程では様々な問題点(例えば、「捺印欄はないが、関連部署長が欄外にサインをしなければならない」というローカルルール)が浮き彫りになってきます。
このような問題点を、経営層の判断を仰いで改善を重ねることにより、職務権限などの社内規定を、よりあるべき姿に整理・改善することが可能となります。
ワークフローシステム導入により、業務のセキュリティを強化し、リスク管理を効率的に行うことができます。また、権限設定やログ管理機能により、データの不正アクセスを防ぐことが可能です。
ワークフローシステムの導入効果は、すぐには目に見えづらいものです。しかしコスト面はもちろん、作業時間の削減、コンプライアンスの徹底、企業統制などの面において、長期的な視点で捉えると大きなメリットがあります。
また、ワークフローシステムは単にワークフローとしてだけ使うのではなく、文書管理システムや回覧板としてなど、その会社に合ったスタイルで使用でき、更なるメリットを生み出すことができます。
2020年の初頭、日本は未曾有のコロナ禍に見舞われました。このパンデミックは、私たちの日常生活や働き方に多大な影響を与え、その中でも「リモートワーク」の導入は大きな転機となりました。
リモートワークが急激に普及した背景には、感染拡大防止のための緊急措置がありました。しかし、リモートワークの導入には多くの課題が伴いました。例えば、業務の効率化、セキュリティの確保、コミュニケーションの確立などが挙げられます。
これまで、オフィス内で当たり前に行われていたワークフローのプロセスが、リモート環境下においてどのように再構築されるかが試されることになり、日本の企業は、従来のワークフローを再設計せざるを得なくなったのです。
リモートワークの導入により、紙ベースの業務からデジタルツールへの移行が急速に進みました。(オンライン会議ツールやプロジェクト管理ツール、クラウドストレージなど)
その結果、業務の効率化や情報の一元管理が可能となり、オフィスワーカーは、場所に縛られずリモートワークで仕事ができるようになり、オフィスへ出社しなくても業務ができるようになりました。
ワークフローの進化について、いくつかのトレンドや方向性が考えられています。
■迅速なアプリケーション開発: ノーコードやローコードプラットフォームを使うことで、技術的な専門知識が少なくてもプロセスのカスタマイズや新しいアプリケーションの開発が可能です。
■ビジネス部門によるイノベーション: ビジネスユーザーが自分のニーズに合わせてツールやアプリケーションを作成できるようになり、IT部門の負担を軽減できます。
基幹システム(ERP)との連携が強化され、異なるビジネスプロセスや部門間でのデータの一貫性や共有化が向上します。
■リアルタイムデータ: リアルタイムでのデータ更新により、即時の意思決定や迅速な対応が可能です。
■セキュリティの自動化: セキュリティの脅威に迅速に対応できる、自動化ツールの導入が進むことが予想されます。
■データ保護の強化: データの暗号化やアクセス制御の強化により、情報漏洩や不正アクセスからの保護が可能です。
■リモートワークのサポート:リモートワークが快適になるよう、働く場所や時間に柔軟性を持たせるためのツールやプロセスの整備が、より一層進むことが予想されます。
■従業員のエンゲージメント:効率的なコミュニケーションやフィードバックの仕組みを整えることで、従業員のモチベーションの維持に繋げていきます。
■柔軟なリソース管理: クラウドサービスを利用することで、必要に応じてリソースをスケールアップ・ダウンでき、コスト効率も向上します。
■コラボレーションツール: クラウドベースのツールを使用することで、地理的に分散したチームでもリアルタイムで情報を共有でき、協力体制を強固にすることができます。
コロナ禍は、日本の企業にとって、ワークフローの大変革を促す契機となりました。 現在では、オフィスワークとリモートワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」を導入する企業も増加しています。多くの企業が新たな働き方を模索し、新たなワークフローが誕生しているのです。
日々変化するビジネス環境や技術の進化に、迅速に対応できる最強ツール「ワークフローシステム」は、これからの時代、ビジネスの世界には欠かせないものとなっていくでしょう。
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