IT業務効率化

【ワークフローコラム】第3回

ワークフローの活用例

内藤 晃孝

これから数回にわたり、ワークフローの活用事例をご紹介していきます。今回は「稟議書」と、そしてちょっと変わったワークフローシステムの使い方として「議事録」の事例をお話します。

1. 稟議書のシステム化で承認ルートを「見える化」
2. 「ほったらかし」の議事録は、ワークフローシステムが解決!



稟議書のシステム化で承認ルートを「見える化」

まず、稟議書です。ワークフローシステムを既に導入していても、稟議書をワークフローシステムに載せていないケースはよく見られます。そうしたお客様に色々お話を伺ってみると、承認ルートが明確になっていないことが大きな理由の1つのようです。

先日、あるお客様のワークフローシステム導入の会議上で「稟議書の役員の印鑑は誰が押しているのだろうか」ということが課題として上がりました。総務部長に聞いても人事部長に聞いても分からず、役員秘書に聞いてみれば分かるのでないかという話になりかけるなど、役員承認という重要な作業のルートが不明確であることが判明し、会議は混迷しました。また、別のお客様のところでは、役員の印鑑の位置が話題になったこともあります。「AさんがBさんの右側に印鑑を押すとなると文句が出そうだ」「社長の印鑑は必ず最後の欄が良いね」などなど、印鑑の位置だけでも検討が必要なことは山積みです。

稟議書をシステム化するメリットは、内部統制が強化されたり、これまで書類を探すのに長時間かかっていたのが検索ボタンひとつでできるようになったりなど、数多く挙げられます。一方、紙で稟議書を運用している時は柔軟に対応できていたことが、システム化するとなると難しくなることもあります。しかしながら稟議書をシステム化することへ向けての検討は、決して無駄なことではありません。承認ルートが明らかになることで従来の手順の無駄が見えてくるので、作業の効率化を図ることができます。またコンプライアンス上も、非常に有意義なことだと言えるでしょう。

「ほったらかし」の議事録は、ワークフローシステムが解決!

次に、ワークフローシステムの利用方法として、議事録をご紹介します。皆さんは、会議などの議事録を取っても誰にも内容を確認されず、ほったらかしにされてしまった経験はないでしょうか?私は、何度か経験があります。取締役会や株主総会の議事録などは会社法で定めがあるため、しっかり作成し、出席者に承認を得るのが当たり前です。

しかし、社内の営業会議やお客様との簡単な打ち合わせとなると、とりあえず議事録を取ってメールで送って終わり、なんていうこともよくあるのではないでしょうか。担当者は忙しい業務の合間を縫って、きちんとした内容の議事録を作成しているものの、誰も承認していないし、ひょっとしたら見ることすらしていない。……悲しいことです。

こうした事態を解決する方法として、あるお客様先では全ての議事録をワークフローシステムに載せて回付しています

ワークフローシステムでは、承認や確認を行なわないと業務として完結しないため、必ず議事録に目を通す必要がありますし、また誰が見たかも履歴として残ります。それだけではなく、捺印欄を設ければ承認ボタンを押すだけで、紙で運用していた時は空白になりがちだった捺印欄を埋めることもできます。

そして何より良い点は、議事録をデータとして保存できることです。後でその議事録を確認したい時には、ワークフローシステム上で会議の名称や日付などのキーワードを入力するだけで簡単に必要な議事録を見つけることができます。

いちいち議事録を送ったメールを日付と送付先を頼りに探す、という面倒な作業をしなくても良くなるので、業務効率が大幅にアップします。

皆さんもぜひ議事録のワークフローシステム化を検討してみてはいかがでしょうか。



今回は、ワークフローシステムの活用例として、稟議書と議事録のケースをご紹介しました。次回は、基幹系システムなどとの連携について解説します。

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