システム運用
Red Hat Enterprise Linux(以下「RHEL」と記載)互換のフリーのLinuxディストリビューションとして、広く普及し利用されているCentOSについて、開発コミュニティであるCentOS Projectより、2021年末でCentOS 8のメンテナンスを終了するEnd of Life(以下「EOL」と記載)と今後はCentOSの開発をCentOS Streamにフォーカスすることが決定しました。
出典:CentOS Project shifts focus to CentOS Stream
https://blog.centos.org/2020/12/future-is-centos-stream/
2022年以降は、CentOS Projectから CentOS 8パッケージの新しいリリースが行われず、セキュリティ修正などが受けられなくなると考えられます。つまり、2022年以降に新たな脆弱性が発見されても対策が取れない可能性があり、 セキュリティリスクが高まる ことを意味します。
現在、CentOS 8をご利用中またはこれから利用しようとしていたシステムは、方針変更や対策を検討する必要があります。(※1)
それでは具体的に、どのような検討をすればよいのでしょうか?本記事では対策方法をご紹介していきます。
※1.CentOS 7は、2020年12月の段階では2024 年までパッケージのアップデートが提供され、メンテナンスを継続すると発表されています。
CentOS 8のEOLへの一つの対応策として、CentOS以外のLinuxディストリビューションへ移行することを検討される方もいらっしゃると思います。
RHELやCentOS同様なRHEL互換のLinuxディストリビューションをCentOSからの移行先候補として検討される場合、大きく以下の選択肢が考えられるのではないでしょうか。
RHELが選択可能であれば、ベストな選択肢であることは間違いありませんが、コスト面や環境などにより難しい場合もあるかと思います。ここでは、「CentOS Stream」と弊社より提供可能な「MIRACLE LINUX」の2つについて、詳しくご紹介していきます。
CentOS Projectが今後注力していくと発表しているCentOS Streamですが、これまでのCentOSとは異なる点も多く、運用には注意が必要です。従来のCentOSは、 RHELの公開されたソースコードを再ビルドされていましたので、非常に動作が安定していました。
しかし、CentOS Streamでは、RHEL公開前のパッケージも含むやや実験的なディストリビューションであり、システム安定稼働が求められる本番環境での運用は少々難しいのではと考えられます。
CentOSとCentOS Streamの違いについては、サイバートラスト株式会社(以下「CTJ社」と記載)の技術ブログ(※2)でも詳しく説明されています。
※2.参照:サイバートラスト株式会社「CentOS 8 EOL 変更と CentOS 8 Stream との違い、影響について」
https://www.miraclelinux.com/tech-blog/difference_between_centos_and_centos_stream
MIRACLE LINUXは、CTJ社が2000年より継続して開発・提供している、産業用PCでは国内シェアNo.1(※3)のRHELクローンの国産Linuxディストリビューションです。20年もの提供実績に加え、国内のLinuxエンジニアによる日本語の技術サポートも、製品出荷から10年間の長期サポートで提供されます。現在最新版のRHEL 8をベースにしたMIRACLE LINUX 8は、2030年5月末までサポート提供予定です。
CentOS同様にRHEL互換のLinuxディストリビューションですので、システム上で動作するアプリケーションへの影響も最小限に抑えられることで、スムーズな移行が可能だと考えられます。このように、安定性・信頼性・サポートの観点からも本番環境でも安心して運用できることから、おススメのLinuxディストリビューションです。是非、一度ご検討・ご相談ください。
※3.出典:「産業用PCにおけるLinux市場の実態」2020/10 ミック経済研究所
ただし、システム上の制約等で、他のLinuxディストリビューションへの移行が難しく、CentOS 8を使い続ける選択をせざるを得ないケースもあるかと思います。
そのような場合には、CTJ社が提供する 「CentOS 8 延長サポート」 を活用する選択肢があります。CentOS 8のEOL後もCTJ社より提供される修正パッケージにより、低コストでセキュリティフィックスなどが対応されたパッケージを継続して利用いただけます。また、併せてCTJ社Linuxエンジニアによる日本語でのサポートサービスとMIRACLE LINUX 8のライセンス提供も受けることが可能になり、CentOSからの移行支援もサポートの範囲で提供されます。
CentOS 8延長サポートは、2029年5月末までの提供を予定しています。CentOS 8のEOL後も安心してご利用いただけるため、是非こちらもご検討ください。
サービスメニューは以下図の通りですが、さらに詳しいサービスはお気軽にお問合せ下さい。
まだ利用されている方も多いCentOSですが、セキュリティ面などから移行や延長サポートの対策検討が急速に進む流れとなっています。
弊社では、ご相談からご支援も可能ですので、ぜひお気軽にお問合せください。
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